軌道に投入する物体の重量毎にその燃料費用は数百倍に跳ね上がります。これにはマイクロデバイスが役立ちます。さらにいつでも使用でき、短時間の過負荷に耐え、材料と潤滑剤を標準部品から若干変更するだけで低温・高温ともに耐えます。 これはこのマイクロデバイスを信頼性や寿命に妥協せずとも宇宙技術にとって極めて大きな、かつ入手し易い動力にしてくれます。私たちの現代世界は電力、電磁波、電子機器の使用無しでは語れません。 これらすべての重要な技術は外部から影響を受け易いです。 太陽風と地球の磁場は相互作用してオーロラの印象深い自然のスペクタクルを生み出しているだけではなく、北極圏諸国では電力網や電話網までも麻痺させます。 現代世界では地球の磁場への影響を研究するため、2014年8月にNASAは4基の観測衛星を搭載したロケットを打ち上げます。 それぞれの衛星にはアメリカのFAULHABERグループのMICROMOから4個のステッピングモータとギアヘッドユニットが搭載されています。 これらは測定ケーブルの巻き取りと送り出しを担っています。
失敗は許されません。
宇宙探査は費用が膨大です。 多くのミッションにおいて一回しかチャンスはなく、もし失敗すると次のための資金はありません。 従って本質的にはこれらは2つの局面に依存します。ミッションを可能な限り信頼性を高めまた同時に安価にすることです。 この宇宙科学技術の必要条件は、「地上の」最たる産業である我々の業界とオーバーラップします。最先端のマイクロドライブ技術は今日では開発が進んでおり、極限の使用状況に対しても特殊仕様が不要になっているほどです。 ほとんどの場合に小規模な最適化だけで要件を満たすことができます。
NASAが磁気圏多マルチスケールミッション(MMS)のために小型軽量で長年信頼性をもって使用できるドライブを探していたとき、FAULHABERのアメリカのグループ会社でそれを見つけました。 小型ステッピングモータはセンサごとに随時4本の約60m長の磁場測定ケーブルを巻き取りおよび送り出しのための最適な手段として選ばれました。 地球の磁場への太陽風の影響を観測するミッションのために長年使用できる仕様になっています。 初年の観測は地球と太陽の間の領域に焦点が置かれ、2年目にはセンサのプログラムが変更され、太陽に面していない側の領域、すなわち風下で太陽風内の磁場が旗のように広がる部分の観測を行います。 それぞれ4本の測定ケーブルを搭載した4基の人工衛星と、地球上を観測・テストするキットで40個の宇宙用に改造されたドライブユニットが搭載されました。
厳しい作業。
小型のステッピングモータは軽量、小型である利点同様、確かなオペレーションを確実なものにするための有利な点も備わっています。 これらのオペレーションは特別な要求をコントローラに求めてはいません。シンプルなステッピングモータコントローラは極めて頑丈に設計されていてオペレーションには十分すぎるほどです。 電子回路の統合度が高いほど、宇宙空間では宇宙線を浴びることで高いリスクが伴います。 このためシールドの追加およびドライブコントローラの質量増大が伴います。 モータはギアヘッドに直結します。このコンパクトユニットの全長はわずか56 mmを僅かに超える程度です。それでもこのユニットはドライブシャフトで0.5 Nmを発揮します。
モータと減速機の主な変更は潤滑油と打ち上げ時に必要な圧力を解放する穴を用意することでした。 後者は特に、ロケットが周知の通り極めて早く大気圏を出ることから重要です。 この効果は自動車で高速に上る、下りるとき誰でも耳がつまる感じになります。圧抜き穴は空気がすばやく抜けることで内部の加圧による損傷を防止しています。 潤滑の際は極度の温度に耐え、真空中で結露しない素材を見つけることが重要です。 従って標準部品、例えばモータのボールベアリングおよびギアヘッドの歯車は上記のような特殊素材により潤滑されています。 さらにすべての製品は個別にマーキングされ、それぞれに検査証明書が貼り付けられなければなりません。 これで宇宙空間での使用準備が整います。
現代のマイクロモータの標準的な技術は極端に厳しい要求に対してさえ、ほとんど既存の部品、材料で生産することが可能です。わずかな設計、材料や潤滑油の変更をするだけで宇宙探査の大変厳しい要求全てに対応することができます。
詳細はhttp://mms.gsfc.nasa.govに記載されています。