ラボの自動化が一役買っている業界は?
化学技術ラボ、製剤技術ラボ、食品技術ラボなど、こうしたすべてのラボでプロセスが自動化されています。医療産業は、世界中でかなりの進化がみられている分野です。この分野に関して言えば、いわゆる体外診断(IVD)、すなわち血液、尿、組織などの医療用試料の分析において、自動化ソリューションは長年なくてはならないものでした。新薬を開発中の製薬会社の研究ラボでの検査手順についても、ますます自動化が進んでいます。
ラボの自動化とは?
ラボの自動化は、ラボ間でレベルにかなりの差があります。単独で使用する機器で個々のプロセスを行うレベルから、複合装置で試料分析を完了するレベルまで様々です。後者は特に、病院のメインラボや大規模な医療診断ラボで行う体外診断など、標準化されたプロトコルに従って大量の試料の検査を行うことが求められ、かつ柔軟な対応力をさほど必要としない領域において要求されるレベルです。
どのプロセスが自動的に行われているのでしょうか?
こうしたラボでは、分析プロセスのほぼ全体が自動的に行われています。分析プロセスは、色分けされた試料用試験管に血液試料を入れて準備する作業から始まります。スキャナが試験管ごとに必要な分析の種類を記録し、ロボットアームがそれぞれの試験管を的確に選定できるようにします。こうした試料の一部は、血液成分を分離するために遠心分離機にかけられます。次に、試料を特殊な搬送ユニットに入れて、コンベヤーベルトや車輪駆動の付いた小型トロリーなどで実際の分析ステーションへと搬送します。
分析ステーションで行われていることとは?
まず、試料のバーコードをカメラにかざして読み取り、試料を識別します。次に、試験管からストッパーを外して試料の一部を取り除きます。試験管を再び密閉し、後日検査を行うときに備えて保管します。試料を検査用プレートまたはシャーレーなど反応容器に移して分析を行います。この後の検査で行われるピペッティング、液体ハンドリング、混合、撹拌などのプロセスでは、主にモータドライブ技術を使用しています。
モータが満たすべき条件とは?
プロセス全体にわたって多くの様々な動作を行う必要があるため、モータドライブ技術に求められるものはその都度異なります。コンベヤーベルトには強力な大型モータが必要ですが、構成部品は出来る限り小型で軽量でなくてはなりません。FAULHABERは、包括的な製品群により多種多様なニーズに対応でき、ほぼすべての要求に応える比類ないソリューションを提供できます。
いくつか例を挙げていただけますか?
多くの用途において、ピック&プレースやピペッティングなど、反復的な開始/停止動作を行うためのきわめて動的な装置が必要です。これを行う際には、速さと非常に正確な位置合わせが要求されます。サイズと重さも重要な要素となります。グリッパーアームやピペッティングヘッドの昇降動作を司るドライブは、一般的に可動構成部品内に含まれています。そのため、超軽量かつ小型でなくてはなりません。
FAULHABERのモータの優位性とは?
1524SRシリーズと2224SRシリーズのDC-マイクロモータは、こうした用途に特に適しています。鉄芯コアを搭載していないため、他の同等モデルと比較してはるかに小型・軽量であり、同時に非常に高い動力を特徴としています。これらのDC-マイクロモータは、主にIE2シリーズのエンコーダと組み合わせて使用します。ユニット全体の長さは、わずか2ミリ分長くなるだけなので、非常に小型なデザインでありながら高性能を実現します。
FAULHABERの製品を選ぶ理由は他にありますか?
当社のお客様の機器がより長く確実に動作するよう、高品質の構成部品を用意しておくことが非常に重要です。収益の約9割を試料分析装置と一緒に販売する試薬から得ているため、こうした装置の耐用年数と継続的な試薬の売上は直結しています。 さらに、体外診断(IVD)用機器は、費用のかかる認証プロセスを経た後で、ようやく運用を開始できるようになります。このプロセスを繰り返さないために、既存の装置を他のモデルに置き換えることは出来る限り避けています。そのため、交換用部品の供給体制も重要な要素です。FAULHABERの部品は、長年使用した後で交換の必要が生じた場合でも入手可能ですので、お客様に安心してお使いいただけます。